ベストプラクティス

離れていても一緒にテレビを見る: パンデミック下でのファンコミュニティの構築

コロナ禍での生活で、多くの人たちが長い夜を自宅で過ごすことになり、これまで以上にテレビを見る時間が増えました。また、普段なら家族や友人を誘ってテレビを見るところですが、今ではTwitterを使って面白かった場面や衝撃的だったオーディション結果についてみんなで話し合うようになっています。実際、英国のTwitter利用者がロックダウン中にやっていたことの第1位はテレビを見ることであり、2020年3月には73%がパンデミック以前よりもテレビや映画の視聴時間が増えたと回答していました。¹

最大の関心事は次に何を見るかです。おすすめのテレビ番組に関するTwitterでの会話は、パンデミックの発生以来、4倍以上²に増えています。番組制作が依然として困難であることから、テレビ局にとっては、古典的な番組の掘り起こしや再マーケティングを中心にソーシャルメディアコンテンツを構築する絶好の機会となっています。一気見できるようなバックカタログを作成するなら今がそのタイミングです...

古い番組でも新しい番組でも、快適な視聴体験が昨今のテーマです。テレビに関するツイートも同様に、調査対象者の58%以上が、Twitterはテレビの視聴に良い影響を与えていると回答しています。³

多くの人々が同時にテレビの前にいる状況で新しい番組がスタートすると、期待は一気に高まります。『I May Destroy You』から、 Netflixで史上最大の新番組となった華やかな歴史ドラマ『ブリジャートン家』まで、全員が同じ番組を見ており、調査対象者の63%がTwitterを使って他のテレビファンの意見を参考にしています。

では、こうしたインサイトを番組でどのように活用すればよいでしょうか。この先はソーシャルアウトプットを強化する実用的な方法をご紹介します。

未来のノスタルジー: 快適な視聴者コミュニティの形成

現実逃避主義がこれまで以上に重要になり、『バフィー ~恋する十字架~』や『ドクター・フー』などのさまざまな番組のファンコミュニティが、この1年でウォッチパーティーや実況ツイートを主催してきました。しかし、その中で 『Eurovision Again』ほど手の込んだ、あるいは成功を収めたものはおそらくないでしょう。

過去のユーロビジョン・ソング・コンテストの決勝戦を同時進行で見るという1人のファンのアイデアが、瞬く間に数百万のYouTube再生回数と数十万のツイートを叩き出す毎週のイベントとなり、それまでライブイベントの放送として見られていたテレビにまったく新しい解釈が与えられました。Eurovision Againの主催者はファンのためにオンライン投票ポータルを作成し、過去のコンテストの新たな勝者を決定し、その過程でヨーロッパ中のポップスターを喜ばせています。

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ウォッチパーティーを盛り上げる鍵は会話のマネージメントです。参加者は何時に「集まる」のか、どのハッシュタグを使って参加者を集めるか、どこで再生ボタンを押せば番組を見ることができるか、明確なコールトゥアクションを示します。ファンが参加するために必要な情報を盛り込んでグラフィックを作成することもできます。

Fleetは、タイムラインをいっぱいにしたり、何も知らないファンにネタばらしをしたりすることなく、ウォッチパーティーをライブ配信できる優れた方法です。また、Fleetを利用するとウォッチパーティーの最中やその後に熱心なファンのツイートを簡単に共有できます。まずはフォロワーにFleetに案内するツイートから始めましょう。

有名人を招いてバーチャルイベントを特別にする方法

直接会うことができない時代に、いかにしてファンとそのお気に入りの距離を縮めるか、VIT(Very Important Tweeter)が自宅から出られなくても交流できる場所はどこかなど、Twitter VITアプリのQ&A機能は、ファンからの質問に答える最適な方法です。ここでも明確なコールトゥアクションのグラフィックを使用することで、適切なタイミングで適切な場所にファンを集めることができます。

『ルポールのドラァグレースUK』シーズン2では、毎週脱落したクイーンたちとのQ&AをTwitterで独占配信し、舞台裏の秘話を明かしたり、華麗に退場したクイーンに最後の一言をかけたりしています。

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リアルを追求する: 影響力のあるファンとのコラボレーション

魅力的なコンテンツをファンに届ける最も効果的な方法の1つは、すでに成功を収めているインフルエンサーと協力することです。 Eurovision Againを支えるファンインフルエンサーも、コメディアンであるAlison Spittleさん#CovideoParty(コロナ禍でのビデオパーティー)も、Twitterを利用する一部の人々はコミュニティ全体をパーティーに引き込むことに成功しています。

BBC Threeは、ドラマ『Normal People』の放送開始を記念して、Alison氏と共同で特別版の#CovideoParty(コロナ禍でのビデオパーティー)を企画し、独占ライブ配信でキャストとのTwitter Q&Aを開催しました。これは、すでにテレビファンに親しまれているTwitterウォッチパーティーの形式に特別な要素を投入する格好の機会でした。

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同じようでいて違う: オーディエンスの誘導

当然ながらテレビと同じようなオーディエンスは存在しません。Netflixのコミュニティアカウント「The Most」や「Strong Black Lead」によく表れているように、同じ番組であっても、番組から異なった印象を受ける複数のオーディエンスが存在します。さまざまなコミュニティから発信されるジョークや番組にまつわる会話に真摯に対応することで、テレビのツイートを次のレベルに引き上げることができます。

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テレビ局の放送予定がどうであれ、Twitterには大勢のテレビファンが集まります。コロナ禍にあっては次に何が起こるかは誰にもわかりませんが、さしあたってVITはさらに身近になり、バックカタログはかつてないほど魅力を増しています。また、Twitterはバラバラになったオーディエンスをひとつの大きな心地よい体験に引き込むのにぴったりの方法です。

出典:

  1. Twitter内部情報、英国のみ、2020年3月19日
  2. Brandwatch、1月1日~3月12日と3月13日~24日を比較した1日あたりの平均ツイート数、英国のツイートのみ、3月25日に取得。
  3. Twitter内部情報、テレビとTwitter、2018年5月~6月

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