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注目の人: Newt Nguyen

クリエイターは、拡散力のあるトレンドやインパクトのあるリアルタイムでの盛り上がりについて時代を先取りしており、世界中のオーディエンスの共感を呼ぶ有意義なつながりを生み出しています。この新シリーズでは、Twitterでもひときわ輝く優れたクリエイターを紹介します。今回は、「パセリ」が大好きなクリエイターであるNewt Nguyenさんから、2020年に今までにないような新しい料理動画を撮影したことについてお話を伺いました。

 

Twitterを使い始めたのは高校生の頃です。友人たちとツイートしあったり、ミーム(拡散するネタ)で遊んだりしていました。初めてのツイートは本当に面白くなくて、「今ドーナツを食べています(笑)」みたいな感じだったと思います。

 

あるグループに自分のアイデアを簡単にすぐ伝えられるのがTwitterを好きになったきっかけです。Twitterであっという間に成功できたのは運が良かったからです。注目を集めたのは、スパイシーチキンサンドイッチを作る様子を撮影した2本目の動画だったと思います。その動画の再生数は数百万回に達し、その後の展開はみなさんもご存じのとおりです。それをきっかけに、Twitter上で料理動画を求める声が大きいことに気付きました。それ以来、思いついた料理をひたすら作って100本以上は動画を投稿したと思います。

背景テクスチャ。

最初の頃は、 Twitter向けに2分間の料理動画を編集するのに5時間もかかっていました。当時は撮影した映像が大量にあり、編集のノウハウもまったくわかっていませんでした。振り返ってみれば、あの当時は本当に大変でした。今では料理動画の編集にかかる時間は30分程度ですが、もっとうまくやれると思っています。編集の上達には繰り返しと練習あるのみです。いまだに苦労しているのがナレーションです。録音するときにいつも自分の声がなぜか勝手にカスタマーサービスの担当者のようになってしまうので、ナレーションに関してはまったく自信がありません。自分ではどうすることもできず、いやになります。

 

友達が投稿するInstagramのストーリーやYouTube動画、食べ物関連のsubreddit(Reddit内で特定のトピックについて議論するためのサブフォーラム)など、あらゆるものからアイデアを得ています。作ってみたい料理の写真を見つけたら、いつもその料理の名前を検索し、信頼できるだけの数の口コミが集まっているレシピを見つけます。ここまで来たら材料を購入して料理を作り、その様子を撮影します。これまで作ったレシピのなかで特に気に入っているのは、つい最近動画を公開したビリアタコス(ハワイで流行中のメキシコ料理)です。アジアとメキシコのコミュニティのなかで人生の大半を過ごしてきたので、メキシコ料理が大好きなんです。

 

「パセリ」(Newtさんの定番の締めの言葉)には複数の意味があります。「シェフ気取りの人は何にでもパセリを乗せる」という少女からのツイートを見たのをきっかけに、すべての料理にパセリを乗せるようになりました。ところが時間が経つにつれて、パセリが自分にとってより大きな意味を持つようになっていきました。料理を作ると、美しい見た目になるものもあれば、ゴミ箱から拾ってきたかのように見えることもありますが、どちらにもパセリが乗っています。どういうことかというと、人生には良い日もあれば悪い日もあります。でも、「パセリ」をほんの少し加えるだけで、物事はやがて良い方向へと向かっていきます。私にとって、パセリは人生のよい面を見るように促してくれる前向きな言葉となりました。パセリは(本来の言葉の意味のとおり)材料として料理に使うことも、人生のさまざまな側面に応用することもできます。私はパセリを詩的にとらえてみましたが、お店で売っているハーブの1つにすぎないともいえます。

背景テクスチャ。

Twitterは自分のファンとつながることができる、他にはない場所です(ファンと呼ぶのは好きではないので家族と呼びたいところです。よく言われることですが、心の底からそう思っています)。Twitterはユーモアやミームなどにあふれているので、自分のサポーターと一緒に気軽にジョークを言えます。サポーターからグループチャットに呼ばれることもよくあります。いくつかのチャットに参加して挨拶をすることもたまにあるのですが、サポーターからのリアクションは何物にも代えがたいといつも思います。

 

TwitterでRich BrianさんやBretman Rockさんと交流できているのは特にすごいと感じています。数年前まで私は大学に通っていて、その当時から2人はインターネット上で有名人だったので、そんな2人と知り合いになれるのはとても不思議な気分です。2人とは年齢が近く、「自分と年齢がほとんど変わらないのに、2人ともすごく有名で成功しているなんてすごいことだ」と常々思っています。ここ数年で私がソーシャルメディア上で注目を集めたことをきっかけに2人とフォローし合うようになり、何度か私のことをツイートしてくれたこともあります。私の人生にそんなことが起こるなどとは思ってもいなかったので、人生で最高の瞬間でした。2人のことはとても尊敬しています。

 

以前ほど頻繁にツイートしなくなったことで、時間が経つにつれてTwitterに対する私の見方も少し変化しました。ツイートする際には、料理動画を投稿するか、前向きなことや面白いことをツイートするようにしています。今ではフォロワーも増えたので、自分の発言には注意を払っています。何かを言うときには、目的をはっきりさせるようにしています。今でもツイートを続けているのは、サポーターたちが私に対して示してくれた愛に応えるためです。サポーターたちのおかげで、最高に幸せだと感じられる活動をすることができ、それを続ける目的を見出しました。サポーターたちがいてくれたからできたことです。

背景テクスチャ。

2020年はすばらしい年になるという内容の動画を2019年の終わりに制作したところ、新型コロナウイルス感染症のパンデミックが始まったため、将来のことを言うのはやめておきます。とはいえ、2021年にはいくつか達成したい目標を設定しました。アパートに引っ越して、初めての一人暮らしがどんな感じか体験したいと思っています。また、ファン層を強化して、自分にできる方法で恩返しがしたいと思っています。ただ、一番大事なのは、両親にリタイアしてもらうことです。幼少期の私を育てるために両親は懸命に働いてくれたので、残りの人生は(快適な環境のなかで)リラックスしながら過ごしてもらえるほどの成功を収めたいと思っています。

 

アドバイスするとすれば、とにかく始めてみることです。動画のアイデアを思いつくためにベッドの上でどれほどの時間を過ごしたかはわかりませんが、どれも実行には移しませんでした。アイデアは実行しなければ、いつまでもただのアイデアです。アイデアが人生を永遠に変えてしまうということもあるかもしれません。多くの人はたいていコンテンツ制作を深刻に考え過ぎていて、計画通りに進められていません。考えずにとにかくやってみましょう。怖がらないで、小さなことから始めましょう。誰でも最初は初心者です。私が動画制作を始めたのは壊れたトレーラーハウスで、撮影に使ったのはiPhoneでした。私にできるくらいなので、みなさんにもきっとできるはずです。

 

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