Q&A | #彼女のストーリー
#彼女のストーリー: Seung Min KimさんとのQ&A
今回の#彼女のストーリー では、The Washington Postのホワイトハウス担当記者であるSeung Min Kimさんにお話を伺います。このインタビューでは、有色人種の女性ジャーナリストとしての経験がどのようにご自身の報道を形成してきたか、そして移り変わるニュースの最新状況を把握しておくためにフォローしている女性たちについてお話しいただきました。
ワシントンDCで10年以上、政治記者として活躍されていますが、ジャーナリズムという仕事をどのように始めたのか教えてください。
Seung Min Kim: 私はアイオワ州で育ちましたので、中西部人としての誇りを持っています。12歳のときから記者になりたいと思っていて、これ以外の職業を真剣に考えたり、追求したりすることは想像もしませんでした。最初の仕事は、The Daily Iowanという大学新聞でした。そこで働くことで奨学金をもらえたので、新入生として正式に入学する前の夏から働き始めることができました。私が初めて書いたのは、地元のアップルビーズ(訳注: 米国を中心に店舗を展開するファミリーレストラン)についての記事でした。チキンサラダの中にトカゲの頭が入っているのを客が発見した後、その店が状況を立て直すまでの経緯を書きました。ですから、この件についてあまりコメントしたがらないアップルビーズを相手にしなければなりませんでした(笑)。
政治の世界で、女性ジャーナリスト、ひいては有色人種の女性ジャーナリストとして働くことについて、どのように感じますか?
Seung Min Kim: 一般的に言って、特に連邦議会を担当する女性として、女性記者の間には強い連帯感があると思います。また、アジア系アメリカ人であるため、特に政治の分野で、これまで語られることがなかったさまざまなストーリーになおさら興味を引かれます。数年前、上院の選挙運動についての記事を読んでいたときのことです。ある州の選挙運動について、アフリカ系住民やラテン系住民の票の影響力に関する記事はたくさんあるのに、「アジア系アメリカ人の投票についての記事がないじゃないか」と不満に思いました。それで、「じゃあ、私がやってみようか」と思ったんです。
私は、自分の生い立ちや背景、人間性のおかげで、自分と同じような伝統や背景を持たない他の人たちであれば興味を示さないようなストーリーに自然と引き寄せられます。そのため、多くの点において、多様性は私たちの仕事にとって非常に重要なのです。私たちは他の人たちが必ずしもすぐに目にしないようなストーリーを目にし、読むのですから。そして、そのようなストーリーは語られる必要があるのです。
ホワイトハウス担当記者として、平均的な一日はどのようなものですか?
Seung Min Kim: 多くの場合、まず大統領のツイートの通知でスマートフォンが鳴ります。大統領のツイートにはニュース性のないものもかなりありますが、ニュースになるものも多く、実際にそれでその日の流れが決まることが多々あります。その後は、そういったツイートに自分がどう反応するか、つまりその日どんなストーリー展開を追いかけるかを考えることになります。
ストーリーが明白であったり、想定内であったりすることもあれば、そうではなく、突然飛び込んでくる場合もあります。通常は大統領によるコメントや行動なのですが、そうなると、何が起きたのかを明らかにするために全員が奔走することになります。ですから一日として同じ日はなく、毎日が予測不能です。その多くは大統領の発言やツイート、それらが連邦議会やそこにいる人々に与える影響によって左右されます。
仲間の女性ジャーナリストや、この分野に進もうとする人たちに何かアドバイスはありますか?
気弱にならないことですね。そして、恥ずかしがったり、躊躇したりしないこと。これは私が何度も経験したことですが、自分のアイデアがその場にいる他の記者ほど賢明でないのではないかと不安になったり、連邦議会で大勢に囲まれると自分の質問がその部屋にいる他の記者の質問ほど秀逸ではないように思ったりすることがあります。
そういった迷いや、時には自分を押しつぶしてしまいそうな自己批判を乗り越えて、怖いもの知らずになることです。難しいことではありますが、毎日、自分にそう言い聞かせる必要があります。自分で自分の頭の中に植え付けるしかないのです。
女性ジャーナリストが中心的な役割を果たすために、ニュース業界ではどのようなことが必要だと思いますか?
Seung Min Kim: まずは、あらゆる職位で女性を採用することです。そうすることで、特に政治、スポーツ、調査報道など、女性の割合がまだ少ないジャーナリズムの分野で、若い女性がジャーナリズムの道を歩みやすくなり、あらゆる段階で女性を育成できるようになります。若い人だけでなく、いつか管理職になりたい、編集者になりたいと考えている女性記者を早くから探し出すことです。女性の語り手を前面に出せば、ニュースメディアにおいて女性が最上級管理職に就任できるかどうかという点にも大きな影響を与えることになるからです。
Twitterをニュース報道のために使うという観点から、これまでにTwitterで広めた特に大きなスクープをお聞かせください。
Seung Min Kim: 最近、Twitterで広めることができたお気に入りのスクープは、政府機関の閉鎖と緊急事態宣言をめぐる争いの最中のできごとです。The Washington Postの同僚と私は、少し滑稽ながら事実だと判明した話を伝えることができました。すなわち共和党の上院議員3人が、トランプ大統領とメラニア夫人の夕食会を実質的に潰し、メキシコ国境の壁建設費用を確保するための国家非常事態宣言を止めさせようと説得した件です。人々は常に新しいもの、新鮮なものだけでなく、単に面白いニュースや変わったニュースも求めているのだと思います。
Twitterは、そこで発信できる報道と情報を、自分自身の記事を超えて強化するのに最適だと思います。また、連邦議会やホワイトハウスで起きていることについて強い関心を持つすべての人に、分刻みの情報を提供するのにも最適です。
Twitterでフォローしているおすすめの女性ジャーナリストを5人挙げてください。
Seung Min Kim: The Washington Postのホワイトハウスチームで働く同僚に、Ashley ParkerさんとAnne Gearanさんという2人の女性がいます。2人ともとても賢く、機知に富んだ女性です。優れた記者であり、進んで他の人の報道をシェアし、Twitterでも優れた分析を行っています。また、とても面白い女性たちでもあります。私が特に好きな女性ジャーナリストは、PBS NewsHourのLisa Desjardinsさんです。LisaさんのTwitterはとても役に立ちます。他の人も、特に議会マニアの方々はそう思っているのではないでしょうか。法案の実際の内容に興味がある方向けに、実際に法案を読み、その詳細をツイートしてくれるからです。非常にボリュームのある詳しい情報は、ときどきストーリーの中に埋もれてしまうこともありますが、Twitterでは非常に読みやすくなっています。
Twitterを上手に活用している女性ジャーナリストの例としては、BuzzfeedのZoe Tillmanさんが挙げられます。法律に関する問題を扱っており、常に実際の法的な文書のコピーやスクリーンショットを投稿してくれます。それが何を意味するのか、短いテキストですばやくまとめてくれ、同時に文書を見せてくれるので、自分でもそれを読むことができます。本当に便利で賢いTwitterの利用方法だと思います。また、Huffington PostのAriel Edwards-Levyさんも大好きです。世論調査のアナリストで、頭が切れ、世論調査の世界をよく理解しています。昨今とても重要なことですが、同時に面白いツイートをする人でもあります。
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