Q&A | Twitterを語る
Twitterを語る: IFRCのDante Liconaさん
月に一度の「Twitterを語る」では、Twitterで際立ったツイートをしたり、大きな話題を集めたりした特に興味深いパブリッシャーやソーシャルメディアのプロフェッショナルと、その舞台裏に迫ります。今月は、スイスに拠点を置く国際赤十字・赤新月社連盟(IFRC)のシニアソーシャルメディアオフィサーであるDante Liconaさんにお話を伺います。
ご自身について簡単に教えてください。@IFRCにフォロワーが集まる理由は何でしょうか?
私はDanteといいます。メキシコ出身で、ニュース、ソーシャルメディア、そしてデジタル外交に取りつかれています。これまでさまざまな分野で仕事をする機会に恵まれ、さまざまなオーディエンスのさまざまなニーズについて、より包括的にとらえることができるようになりました。最初はジュネーブのメキシコ政府機関で働き、次に世界保健機関のソーシャルメディアチームに加わり、今は国際赤十字・赤新月社連盟(IFRC)で働いています。
私たちは、意義あるストーリー、説得力のあるストーリー、私たちの人道的活動に関するストーリーを共有しています。赤十字は世界中のあらゆるコミュニティに存在し、各地域で行われていることを世界的に広めていきたいと考えています。当連盟には世界最大の人道支援ネットワークがあり、1,400万人のボランティアが毎日、時間という大変重要な資産をささげ、人道支援活動への情熱を注ぎ、同胞をケアしています。
私たちは、自分たちの組織が実際に緊急対応支援や救済を行っていることを把握し、できるだけポジティブにツイートしたいと考えています。なぜなら、非常に困難なときでさえ、常に希望はあるということを示したいからです。その例がテトリスチャレンジです。基本的には、たくさんの救急隊員が機材を配置している様子を空から見たものなのですが、まるでテトリスのように見えます。スイスで始まったこのプロジェクトですが、当連盟には全世界的なネットワークがあるため、世界中の赤十字や赤新月のチームからすばらしい動画や写真が送られてきました。そして、私たちはこのチャレンジに関するまとめスレッドを作成することになったのです。
2020年におけるソーシャルメディア管理者のあり方についてお聞かせください。
2020年は残酷な年であり、私たちの誰もが究極の忍耐力を試されたことは、ほとんどの人が認めるところでしょう。並々ならぬ困難がありましたが、同時に、仲間や同僚たちの連帯感がとりわけ高まった年でもあり、厳しい局面に直面したときに助け合い、手を差し伸べ合おうとしている姿を目にすることができました。これほど協力し合い、助け合い、学び合おうとする姿勢を目の当たりにできるのは信じられないほど稀だと思います。このような協力関係を見ることができたのは、とても有意義なことでした。
私が働いている分野、非営利団体のソーシャルメディア管理には、コミュニティというものが必ずしも存在していませんでした。そこで、アムネスティ・インターナショナルの友人であるVal Voschevskaさんと一緒に、Social for Goodというコミュニティを作ったらどうかと考え、今年の2月にスタートさせました。今では、世界中の非営利セクターから300人以上の専門家が集まっています。2人のソーシャルメディア管理者が物理的な部屋または仮想的な部屋にいるときはいつも、実質的なセラピーセッションの時間になります。なぜなら、私たちはお互いを理解し、直面しうる課題を知っているからです。直面している課題は地域的な場合もあれば全世界的な場合もあります。時差や言語、社会的なニュアンス、さまざまなスキルが関わってくると、さらに多くの面でより複雑になります。
ソーシャルメディアに携わり始めてから、業界はどのように変化しましたか?
特に、私がいつも魅了されているデジタル外交という側面において、グローバルリーダーにとって非常に重要な、敏捷性、量、規模、関連性、採用の面で、信じられないほどの変化を遂げました。この分野は過去10年間で大きく成長し、成熟しています。10年ほど前は、ツイートが公式な発言であり、ウェブサイトに掲載されていなくても関係者の公式な発言なのだとは認識されていませんでした。
Twitterで最初にツイートや発言として公表された内容が、Financial TimesやThe New York Timesの一面を飾らない日というのはないと思います。利用者の視点からも、Twitterは利用者とともに信じられないような進化を遂げてきました。その重要な例の1つが、スレッドです。
私は8年前からスレッド形式でツイートしていますが、私の師であり友人でもあるSari Setiogi Gribergさんが運営するWHOのソーシャルチームに参加したときには、スレッドという呼び方を知らずに使っていたんです。以前は、「フラッグシップツイート戦略」と呼んでいました。本質的に、フラッグシップツイートは昔からの基本的な方法です。つまり、役に立つキーメッセージを強調し、その後、2次的なメッセージが出てきて、3次、4次、5次とツイートが繰り返されます。すべてリンクでまとめることができるため、Twitterアカウントを持っていない同僚がいても、そのような複数のメッセージをアクセスしやすい1つにつながった形で見ることができます。
そう、ですからソーシャルメディアは大きく進化しているのです。Twitterはプラットフォームとして大きく進化しました。しかし、やはり基本的なメッセージ、コミュニケーションの基本は変わることはありません。
Twitterとの関係についてお話しいただけますか?
Twitterは私の人生を変え、キャリアの方向性を変えました。私がMisión de México en Ginebraに参加したのは、2011年にツイートすることが重要だというアイデアを公開したからです。Twitterのおかげで、世界保健機関(WHO)やIFRCに参加できましたし、Twitterは人脈、友情、習慣の構築、情報収集にも役立っています。私の家族はみんなTwitterを使っていていますし、私の生活の重要な一部になっています。
Twitterの機能の中で特に過小評価されているものは何ですか?
場合にもよりますが、よく使う機能であれば、Twitterの高度な検索とリストです。私はTwitterの高度な検索機能に夢中になっています。当連盟は、高度な検索のためのガイドを作成しました。このガイドでは、基本的にTweetDeckに備わっているすべてのコマンドを、携帯電話からでも使えることを紹介しています。なぜなら、TweetDeckはWebブラウザでしか使用できませんが、誰もがWebブラウザでTweetDeckにアクセスできるわけではないからです。そのような制約があると考え、誰もが必要なときに必要なツイートを見つけられるよう、このガイドを作りました。
特に過小評価されているTwitterの機能は、PeriscopeにおけるTwitterのタイムスタンプかもしれません。私たちは、コロナ禍において世界中の専門家と多くのライブセッションを開催しました。パンデミックになって以来少なくとも50回はライブ放送を行いました。オーディエンスと共有したい印象に残った出来事があれば、16分、20分、25分と無理に視聴してもらわなくても、タイムスタンプで共有できるのです。引用部分に直接移動してもらい、出来事が実際に起きている場面を直接見てもらうことができます。ですから、かなり便利だと思います。使っている人はあまり多くないようですが。
もしも願いが叶うなら、編集ボタン以外でTwitterにどんな機能がほしいですか?
2分20秒を超える動画を含むスレッドの予約投稿をできるようにしてほしいです。そんな機能があれば最高です。
Twitterアカウントの担当者として、さまざまな役割をどのように優先順位付けしていますか?
緊急事態が最優先です。もし今、大規模な緊急事態が発生しているのであれば、計画を中止し、その緊急事態に集中して、その都度、最新情報を共有することになります。
たとえば、モザンビークのサイクロン「Idai」は、最初の48時間、国際メディアにあまり取り上げられなかったそうです。モザンビークが国際メディア通信の中心地ではないためです。また、被害があまりにも大きいため、誰も実際に何が起きているのか把握できませんでした。当連盟のCaroline Hagaさんが並々ならぬ努力によってヘリコプターからツイートしてくれたおかげで、世界各地に最初の映像が届けることができました。この映像によって、サイクロンに襲われたモザンビークが壊滅状態だったことが人々にようやく伝わったのです。
Twitterでは会話が非常に重要です。どの会話や返信に対して関わるのか、どのように決めていますか?
私たちは常に緊急対応を優先し、業務に関わることはすべて即座に対応するよう心掛けています。また、誤情報が発生した場合は、すぐに対処するように努めています。当連盟は建設的な対話によるやりとりを望んでおり、公正な批判を歓迎しています。私たちは完璧ではありませんが、変化をもたらすことができると思えるところから取り組んでいます。
お手本にしたい秀逸なツイートを教えてください。
Social for Goodで知り合った仲間からのツイートです。名前はEjoleeさんといい、最近ソーシャルメディアディレクターとして新しい仕事を始めました。Ejoleeさんのツイートは、「Why hire someone who is an expert in their field, if you won't even let them implement their expertise?」(その専門性を発揮させることもできないのに、なぜその分野の専門家を雇うのでしょうか?)というものでした。
これは、さまざまな分野で反響を呼んでいます。特にソーシャルメディア分野での反響は大きいです。なぜなら、いまだに私たちの仕事を真剣に受け止めない人がいるからです。特に最適な進め方について私たちがアドバイスをしたときに、そう考える人がいるのです。
最後に、いくつか簡単な質問をさせてください。
親しみを込めて他のアカウントを茶化すことはありますか?
いいえ。常にポジティブであるようにしています。
複数のハッシュタグを付けることはありますか?
この9年間で、私の考えは変化しました。現在は「いいえ」です。本当に本当に必要なときだけ、ハッシュタグを1つ入れます。
言葉を絵文字で代用することはありますか?
いつもそうしています。ただし、アクセシビリティの観点から、4つまでにしています。絵文字だけのツイートをしたときに痛感したのですが、たとえば耳が不自由な人の場合、絵文字が多すぎると情報が伝わらないのです。
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