Q&A | Twitterを語る

Twitterを語る: ITVの「Peston」

月に一度の「Twitterを語る」では、Twitterで際立ったツイートをしたり、大きな話題を集めたりした特に興味深いパブリッシャーやソーシャルメディアのプロフェッショナルと、その舞台裏に迫ります。今月はITV「Peston」(英国の政治番組)を毎週テレビ放送前にTwitterでライブ配信したCass Horowitzさんからお話を伺いました。

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ご自身について簡単に教えてください。@itvpestonにフォロワーが集まる理由は何でしょうか?

Twitterを有意義な方法で活用し、交流を定期的に働きかけ、その交流を使って影響力を高めている数少ない政治番組アカウントの1つ、それがITVの「Peston」です。Pestonはテレビで放送される2時間前に番組全体を(Twitterの広告なしで)ストリーミングした最初の番組というだけでなく、Twitterのフォロワーから番組ゲストへの質問も定期的に受け付けています。首相からJeremy Corbyn議員まで、ゲスト全員がTwitterで集まった質問に回答しています。

 

あなたが関わって大きな話題を集めた出来事について教えてください。

それならNigel Farageさんの投票に関するツイートが好例ですね。番組のライブ放送中にはたいていCMが入るのですが、Twitterを利用している人だけが視聴できる特別なコンテンツを用意しています。その1つが、「Peston」の共同プレゼンターであるAnushka Asthanaさんが撮影した、Nigel Farageさんの動画投票です。当然Nigelはブレグジットをテーマに選択し、James CordenさんやJo Brandさんなどたくさんの人が参加しました。投票数は1万件を超え、多数のリツイートが行われました。

 

この業界に入ってから、ソーシャルメディアはどのように変わりましたか?

最初は純粋なジャーナリストとしてキャリアをスタートさせたのですが、始まったばかりの「The Andrew Marr Show」でガイドを務め、Twitterで番組を配信した初めての人になりました。その頃から、政治的な側面に興味を持ち始め、ソーシャルメディアを通じてどのように人々を政治に巻き込むことができるかを考えるようになりました。2年前にはClerkenwell Brothersというエージェンシーを自分で立ち上げました。自身の仕事の柱としてソーシャルメディアに力を入れ始めたのはこの頃で、完全にソーシャルメディアの人になったのもこの頃だと思います。

今、ブランドはソーシャルメディアにおいて、より自分らしく利用するという点で、以前よりもずっと賢くなることが求められていると思います。特に、まず重要なのが速さ、一番になること、楽しさです。優れたブランドになるために、それを実現できるスマートな人材に投資し、物事に反応することで何かを最初に行ったり、一番速く、あるいは楽しくやったりする必要があります。私たち「Peston」は新分野を開拓する存在になりたいと考えています。Twitterは、毎日自社の商品についてツイートするブランドでひしめき合っており、かつてないほどのスピードと速報性が求められているのです。

 

Twitterとの関係についてお話しいただけますか?

映画のレビューに関するブログを書いていた頃に初めてTwitterに出会いました。他人になりすます人物に関するドキュメンタリーである『The Imposter』という大好きな映画を見ました。この人物をTwitter上で見つけて、ブログのためのインタビューを何とか設定しました。Twitterでは人同士がつながることができるということにとても興奮しました。Twitterに出会うまでは、このような形で人とつながったり、インタビューのチャンスをつかんだりできる可能性や方法は皆無でした。コンテンツだけでなく、興味深い人やコンテンツが見つかるという点でTwitterはずっと私のお気に入りです。ソーシャルチャネルの一種としてだけではなく、人脈作りの一環としてもTwitterを利用しています。

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Twitterの機能の中で特に過小評価されているものは何ですか?

SnappyTVの後継であるLiveCutエディターを使い始めたばかりなのですが、政治番組に携わる人間がコンテンツをいち早く作成するために必要な機能だと言えます。編集やライブ動画の公開に必要なショートカットがすべて揃っており、アプリケーションも充実していてダウンロードも可能なのでとても便利です。

 

もしも願いが叶うなら、(編集ボタン以外で)Twitterにどんな機能がほしいですか?

リアルタイムのイベントのフォーマットを以前のものに戻してもらいたいですね。現在の利用者の行動傾向やライブ配信の利用方法とは逆行しているように思いますが、全画面で視聴しているとそのコンテンツについてツイートできないのです。ウィンドウを小さくできれば、これまでのイベントもその周りに配置し、すべて横並び表示にして、イベントについて簡単にツイートできます。この機能が恋しいですね。

 

Twitterでは会話が非常に重要です。どの会話に対して関わるのか、どのように決めていますか?

「Peston」では政治に対してやや気軽なアプローチをとっていますが、政治家の方々とその活動にはとても敬意を払っています。政治家を批判したり冷笑したりするのではなく、そうした声を持つ人たちと関わり合い、いま起きていることの重要性を損なうことなく、もう少し気軽な視点から見ることを目指しています。「Peston」の返信内容を見てもらえれば、中には皮肉が込められているものもありますが、ばかにするような口調にはなっていないことがわかってもらえると思います。

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PestonのTwitterアカウントの担当者として、さまざまな役割をどのように優先順位付けしていますか?

特に重要なのは、ゲストの発表や番組の告知、2つのCM枠を埋めることなど、水曜日の放送に向けた準備です。Twitterで番組のライブ放送をするので、2つのCM枠に対してTwitterだけのためのコンテンツを制作する必要があります。ちょうど先週は、CM枠でブレグジットの終了を記念したパーティを開催することに決めました。パーティ用の帽子やソーセージロールの買い出し、パーティ会場の設営、パーティ参加者の招待などの様子を撮影すれば、コンテンツとしてそれなりの時間をかせげます。

 

現在フォローすべきアカウントを教えてください。

One Minute Briefsアカウントが大好きです。クリエイティブ業界に関する疑問を1分間で読める内容にまとめてくれているのですが、面白いアイデアが見つかるので非常に興味深いです。Ryan Wallmanさんも面白いです。アカウントは確か@Dr_Draperだったと思います。人を惹きつける広告のアイデアを持っていて、うまくいくこととそうでないことについてわかっています。政治に関して言えば、間違いなくRobertさん(@Peston)はプロですね。いつも個人的な意見を楽しんでいます。

 

それでは、最後にいくつか簡単な質問にご回答ください。

 

親しみを込めて他のアカウントを茶化すことはありますか?
いいえ。もっと他に重要なことがあります。

 

複数のハッシュタグを付けることはありますか?
複数のハッシュタグを使うことについてジョークを言うときだけそうしています。

 

言葉を絵文字で代用することはありますか?
いつもそうしています。この質問に関しては間違いなく答えは「はい」です。

 

編集者注: このインタビューは2019年1月に行われました。Cassさんはその後ITVの「Peston」を離れて現在は英国財務省に在籍しています。

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