Q&A | Twitterを語る

Twitterを語る: gal-demのShanice Doverさん

月に一度の「Twitterを語る」では、Twitterで際立ったツイートをしたり、大きな話題を集めたりした特に興味深いパブリッシャーやソーシャルメディアのプロフェッショナルと、その舞台裏に迫ります。今月は、有色人種で性的少数者の人々のストーリーを伝える出版物、gal-demのソーシャルメディア管理者であるShanice Doverさんにお話を伺いました。

 

ご自身ついて簡単に教えてください。@galdemzineにフォロワーが集まる理由は何でしょうか?
gal-demは当時大学生や大学を卒業したばかりだった人たちによって、2015年に創設されました。メディア業界に対する失望がきっかけです。大学で勉強しているカリキュラムが問題だと考える人もいましたし、多様な背景を持つ人たちの意見が採り上げられないことが問題だと考える人もいました。大学での勉強であっても、外の世界であっても、当時語られていたストーリーには私たちが経験していることを代弁しているとは言えませんでした。

gal-demの創設当時、私はトレイボン・マーティン射殺事件に関する論文の仕上げに入っていました。その研究から、現在のブラック・ライブズ・マター抗議運動の高まりにオルタナティブメディアやブログ、ソーシャルメディアがいかに大きな役割を果たしたかが非常に明確になりました。このような正義に反する事件が起きたときにコミュニティがオンラインで一致団結し、実際にその後の動きを変える方法があることを知り、大きな励みになりました。これがまさに自分が関わりたかったことだと感じたのを今でも覚えています。

gal-demにとって特に大きかった出来事は、2018年のThe Guardian誌のgal-dem特集号です。このThe Guardian週末版では、gal-demが全コンテンツの選定と執筆依頼を手がけました。寄稿者は全員有色人種か性的少数者だったのですが、これは当時としては本当に信じられないことです。The Guardianは主流派の歴史ある大手出版物です。私たちは地元のコミュニティに支持されていることを理解しており、私たちの活動はコミュニティにとって本当に重要でした。しかし、メディア業界のやり方を一変させ、正しい方向に向けて第一歩を踏み出すことも私たちの活動の一部です。皆さんがその記事を主に共有してくれた場所がTwitterでした。gal-demに対する支持をツイートしてくれたのです。すばらしい出来事でした。

背景テクスチャ。

2021年におけるソーシャルメディア管理者のあり方についてお聞かせください。
創設当初から、gal-demのコミュニティにおける仕事は、私の中でも常に欠かせないものでした。gal-demは雑誌や新聞、書籍、テレビ番組など、他のメディアではほとんど取り上げられない人たちに向けて発信しています。私たちは常に、少数派のオーディエンスに向けて発信することを念頭に置いています。

今ではメディア業界全体がコミュニティの重要性を認識し始めています。各業界でソーシャルメディアという要素が非常に大きくなってきているのはとても興味深いことです。大きい社会全体ではなく、極めて小さなコミュニティやインフルエンサー、匿名性の高いスペースに人が集まる様子はまさにインターネット創生期のようです。当初、ソーシャルメディアはストーリーを伝えるための新たなスペースに過ぎませんでした。しかし、今ではストーリーを見つけ、いま起きていることに関する会話に参加するうえで欠かせない場所になっています。ニュースがソーシャルメディアを主導し、形作っているのではなく、ソーシャルメディアがニュースを主導し、形作っているのです。

 

Twitterの機能の中で特に過小評価されているものは何ですか?
リストだと思います。私はソーシャル、デジタル、オンラインインターネット文化のレポーターたちの世界でいま起きていることなど、業界に関する会話を詳しく見るためにリストを使っています。信頼できる情報を提供してくれる一部の人に絞ってアクセスできるのは非常に便利です。常にとても興味深い意見を発信したり、非常に有益なリソースを共有したりしている人たちがいます。面白いと思えることが見つかる密度の濃いスペースがあるのはすばらしいことです。

背景テクスチャ。

Twitterアカウントの担当者として、さまざまな役割をどのように優先順位付けしていますか?
Twitterでは主にgal-demの記事を紹介しています。ツイートは非常に速く流れていくため、他のプラットフォームよりも1日でたくさんの記事を紹介できます。記事や新しいコンテンツだけでなく、商業的なプロジェクトを多くの人に向けて発信するうえでTwitterは欠かせないチャネルです。gal-demが常に行っているさまざまな取り組みについて人々に周知するためにも、Twitterは重要な存在です。

Twitterはさまざまな議論に参加するのにも便利です。話題性の高い会話が多く行われるので、人々が何を話しているかを把握できることは非常に重要です。gal-demではリアルタイムでその会話に対応することもあれば、翌日の編集会議で取り上げることもあります。gal-demの編集活動にはTwitterが深く関わっています。さまざまな場所から得たアイデアが会議に持ち込まれますが、最終的に話し合いと検討の材料になるのは多くの場合Twitterでの会話です。

 

自分が関わりたかったと思うほど秀逸なツイートはありますか?
最近、XscapeとSWVの#verzuz バトル(訳注: DJやシンガー、ラッパーによる仮想バトル)を見たのですが、その一連のツイートが良かったです。Verzuzのような配信が人気を集めているのは、オーディエンスの反応がリアルタイムで見られるからです。私は文化的なイベントやポップカルチャーのイベントについて実況ツイートしている人たちを本当にすばらしいと思っています。実際のお目当てのイベントよりもツイートの方が楽しいことさえあります。気の利いたコメントを投稿したり、ぴったりのGIF画像をすぐに思い付いたりする人たちのように私もなれればいいのにと思っています。

 

背景テクスチャ。

現在フォローすべきアカウントを教えてください。
初めて本当に夢中になったジャーナリストの1人がBim Adewumniさんです。文体が大好きで、Twitterでフォローしています。Tumblrでも考えを垣間見ることができます。文化に関するアイデアを得るために、Bulo Babalolaさんもフォローしています。Twitterやオンライン全般が重い話であふれていることもあるので、ちょっとしたポップカルチャーの解説が好きです。こうした情報をうまく利用して毎回成功している人たちは実にすばらしいです。Taylor Lorenzさんのソーシャルデジタル文化に関する解説やコンテンツもすばらしいです。

 

それでは、最後にいくつか簡単な質問にご回答ください。

 

親しみを込めて他のアカウントを茶化すことはありますか?
はい。

 

複数のハッシュタグを付けることはありますか?
いいえ。

 

言葉を絵文字で代用することはありますか?
もちろんです。

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